スノーボード・シーズン後の片付けと保管方法のコツを紹介!

道具・アイテム
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「シーズン後の板はどうしたらいい?」

「ビンディングは付けたままでいい?」

「毎年プロにお願いした方がいいの?」

 スノーボードの簡単なメンテナンスは自分で行うことができます

 この記事では、スノーボード歴20年以上、現役インストラクターの筆者が毎年やっているシーズン終わりのスノーボードの片付けと保管方法を紹介します。

 もちろんメンテナンスはプロショップに任せるのがもっとも簡単、確実ですがお金がかかります。

 趣味としてスノーボードを楽しむのであれば、プロに任せるのは滑走面の深い傷やエッジのゆがみなど、自分の手に負えないときだけで十分です。

 シーズン最後のスノーボードに行った後は、自分でしっかりメンテナンスを行い、片付けて保管しましょう。

 慣れてしまえば、準備から片付けまで1時間半くらいです。

 この記事が片付けや保管方法で悩んでいる人のお役に立てれば幸いです。 

1.シーズンオフの片付けと保管方法を解説

 今回は、スノーボード1セットを自宅で片付けるまでの手順と保管方法を解説します。

  板:1枚、ビンディング:左右各1個

スノーボード1セットの画像

 スノーボードの使用期間は12月下旬~3月下旬の約3か月、使用日数は30日程度です。

 ハイシーズンの圧雪バーン、春のシャバ雪、新雪、雨、花粉や黄砂で汚れたバーンなど、いろいろなコンディションの中で使用しました。

 それではまず、片付けと保管に使った道具を紹介します。

2.スノーボードの片付けと保管に使ったもの

 今回片付けと保管に使った道具は次のとおりです。

①板用

板にワックスを塗る道具一式の画像
左から順に、作業台、リムーバー、ベースワックス、ワクシングアイロン、キッチンペーパー

作業台

折りたたみ椅子2個の画像

 100円ショップのダイソーで買ったレジャー用の折りたたみイス(100円)を2個を使用しました。

 ただし、立って作業する方が楽なので、専用の作業台や腰くらいの高さの脚立などがあればそちらの使用をオススメします。


リムーバー

 スノーボード用の汚れ落としクリーナーです。

 リムーバーの成分が強いので、手荒れが気になる方は軍手もあった方がいいです。


クリーニングペーパー(キッチンペーパー)

 リムーバーを拭き取るためのペーパーです。

 使い古しのタオル、ティッシュなど何でもOKです。

 僕はいつも100円ショップのキッチンペーパー(100円)を使っています。


ベースワックス

 スノーボードのソール(滑走面)に塗るワックスです。

 板を長期保管する際、ソール保護のために滑走面に塗ります。

 今回はガリウム(スキー・スノーボード用の国産ワックスメーカー)のベースワックスを使用しました。(100gで税込880円) 


ワクシングアイロン

 ホットワックス用のアイロンです。

 ホットワックスをかけることで細かい部分までワックスが浸透し、長期保管に最適です。


ワクシングペーパー(キッチンペーパー)

 アイロンとソールの間に挟んで使用します。

 ワックスの伸びが良くなる上、アイロンの熱からソールを保護してくれます。

 僕はいつもキッチンペーパーを使用しています。


ソールカバー(ニットカバー)

スノーボードニットケースの画像

 ワックスをかけた後に板にかぶせ、ソールやエッジを保護します。

 シーズン中もいつも使用しています。


②ビンディング用

作業台

 先ほど紹介したのと同じものです。


ドライバー

ラチェットドライバーの画像

 ダイソーで買ったラチェットドライバー(200円)です。

 ラチェット付きだとドライバーを持ち替える必要がなくとても楽です。


ブラシ

ツインブラシの画像

 100円ショップで買ったツインブラシ(100円)です。

 ブラシがなければ使い古しの歯ブラシなどでもOKです。


トレイ

 ビンディングのネジを入れて洗うためのトレイです。

 コップ、バケツ、植木鉢の皿、スーパーの総菜のフタなど何でもOKです。


ビンディングを買ったときの箱

ビンディングの箱の画像

 捨ててしまう人もいますが、僕は片付けと保管のために大事に取っておきます。

 ビンディングを買い替えてヤクオクなどに出品するときも箱があると高く売れます

 使用した道具は以上になります。

3.事前準備

板からビンディングを取り外す

板からビンディングを外している画像

 まずは、板を作業台に置いてドライバーでビンディングを取り外します。

 ネジを締め付けたままだとワックスがうまく塗れないためこの作業はとても大切です。

 ビンディングを取り外さない場合でも、せめてネジを緩めてからワックスを塗るようにしてください。

 保管中もネジを締め付けたままだと板に負荷がかかりダメージを与えてしまいます

4.板の片付けと保管方法

 それではまず、板の片付けの手順と保管方法を説明します。

①滑走面をきれいにする

 滑走面をきれいにするためリムーバーでクリーニングをします。

 まずはソールカバーを外し、板を作業台の上に置きます。

スノーボードのソール面の画像

 ソールがもともと黒いので、現段階では汚れているかよく分かりませんね…

スノーボードにリムーバーを塗布する画像

 リムーバーの缶をよく振ってから滑走面全体にスプレーします。 

 この作業は、必ず屋外など換気のよい所で行ってください。

スノーボードのソールにリムーバーを塗布した後の画像

 リムーバーが滑走面全体に行き渡ったら汚れが溶けだすまでしばらく待ちます。

 なお、完全に乾くと拭き取りにくくなるため、少し濡れたままの状態でOKです。

 キッチンペーパーで丁寧に拭き取っていきます。

リムーバーを拭き取っている画像

 このとき、手荒れが気になる方は軍手を着用してください。

 下の画像のように浮き出た汚れが取れます。

 ソールが黒いので分かりませんでしたが、思った以上に汚れているようです。 

クリーニングペーパーに付着した汚れの画像

 今回は汚れがひどかったのでもう一度リムーバーを吹きかけてクリーニングを行いました。

 特に春スノーボードでは、思わず木の枝や土の上を滑ってしまうことがあるため、ソールが汚れやすくなります。

  最終的にキッチンペーパーには下の画像のようにかなりの汚れが付着していました。

クリーニングペーパーの汚れ比較の画像
左が使用後、右が使用前のキッチンペーパー。かなり汚れていました。

 なお、見るからに土や泥が付着している場合は、リムーバーを使用する前にさっと水洗いをしておくと後の作業が楽です。

 ただし、板を水洗いした場合は、タオルなどで水分を完全に拭き取るようにしてください。

 滑走面が濡れたままだと、この後ワックスをかけることができません。

②ワックスをかける

 次に、ソールを保護するため、ワクシングアイロンを使ってソールにワックスを塗り込んでいきます。

 この作業をしないと、ソールが酸化して白くなるなど板の寿命が短くなります

 ソールをクリーニングをしたらできるだけ早くワックスがけを行うようにしてください。

 クリーニングしたまま放置すると板がダメージを受けます。

ベースワックスとアイロンの画像

 今回使用するのはガリウムのベースワックスです。

 これ1つでベースワックス、滑走ワックス、クリーニングの3つの用途に使用できます。

 今回はソールを保護するためのベースワックスとして使用します。

 まずはアイロンを温めますが、僕はだいたい100℃~120℃に設定することが多いです。

 ワックスを当てたときに煙が出ない範囲で高い温度に設定すると作業がしやすいです。

 ちなみに、ワックスの塗り方は人それぞれです。

 今回は、アイロンにワックスを当てて溶かしながらソール全体に垂らしていく方法でやりました。

スノーボードのソールにワックスを垂らした後の画像

 ほかにも、下の画像のように温まったアイロンにワックスを当て、ワックスを少し柔らかくしてからソール全体に直塗りする方法や、上記2つを組み合わせた方法などいろいろありますので試してみてください。

 どの方法でも最後はアイロンでソール全体にワックスを塗り込んでいくので結果は同じです。  

 それでは、ここからアイロンを使ってワックスをソールに塗り込んでいきます。 

 アイロンと滑走面の間にキッチンペーパーを挟み、アイロンを1か所に止めないように滑走面全体にワックスをのばしていきます。

ワクシングペーパーでワックスを塗っている画像

 ペーパーを使うことで熱による滑走面の焼き付け(痛み)を防止します。

 また、ペーパーが余分なワックスを吸い取ってくれることで滑走面の仕上がりがきれいになります。

 このとき、アイロンを動かす向きは、ノーズからテールに向かってまっすぐ一直線にしてください。

 アイロンの幅がボードの幅より狭い場合は、真ん中、上、下など3ブロックに分けてアイロンをかけます。

 なお、この段階ではノーズとテールのキック部分(両端の反りあがっている部分)にはアイロンをかけません(後で説明します)。

 下の画像は、滑走面にアイロンを1回かけた後の状態です。

ベースワックスをソールに塗り込んだ後の画像

 先ほどのワックスを垂らした後の画像と比べると、滑走面全体にワックスが行き渡ってきれいになったのが分かります。

 この後、塗りムラをなくして更に滑走面にワックスを浸透させるため、アイロンをもう一度かけました。

 まだノーズとテールのキック部分にはアイロンをかけていないため、ワックスの跡が残ったままです。 

ノーズとテールのキック部分の画像

 ここで、キッチンペーパーに浸み込んだ余分なワックスを使ってノーズとテールのキック部分にアイロンをかけます。

ワクシングペーパーに付着した余ったワックスの画像

 通常、キック部分で滑走することはないため、このように残りのワックスを使用すれば十分です。

 反りあがった形状に合わせるようにアイロンを当て、既にワックスを塗った部分ときれいにつながるように丁寧に行ってください。

 下の画像は、滑走面にアイロンを2回、さらにキック部分にもアイロンをかけた後の状態です。

2回ワックスを掛けた後のソールの画像

 今回は、長期保管用としてワックスを厚めに塗りました。

 このワックスはあくまでもソールの保護用であるため、スクレーパーで削り取ったりブラシをかけたりしません。

 次のシーズンまで剝がさずにこのままです。

 まだアイロンの熱が残っているので、少し冷ましてからソールカバーをかけて完成です。

スノーボードにニットカバーをかぶせた画像

 以上でワクシングは終了です。

 アイロンを持っていない人は、クリーナーとベースワックスが一緒になったスプレータイプの簡易ワックスで代用してください。

 本当はアイロンでワックスを塗り込む方が効果的ですが、何もしないよりはずっとマシです。  

③保管する

 板の保管場所は、日の当たらない涼しく風通しの良い場所がよいです。

 僕の知り合いは、車庫の天井付近に平置きしていたそうですが、夏場の高温により板が変形し、ソールが剥離して使い物にならなくなったそうです。 

 板にとって熱と湿気は大敵です。

 屋外、高温になる場所、湿度の高い場所で保管しないように注意してください。

 ちなみに僕は板を4枚持っていますが、玄関の靴箱の横のスペースに重ねて立てかけています。

 ビンディングを外しているからこそ何枚も重ねることができ、ネジの締め付けによる板へのダメージもありません。

スノーボードを3枚立てて積み重ねた画像

5.ビンディングの片付けと保管方法

 次に、ビンディングの片付けの手順と保管方法を説明します。

①洗う

 洗う前に、取り外したビンディングを次の3つに分解します。

  • ベースプレート(本体)
  • ディスクプレート(丸い円盤)
  • ネジ(ビス)
ビンディングを分解した画像

 ビンディングを分解したらパーツごとに洗います。

ベースプレート

 水で汚れを洗い流し、細かい部分やこびり付いた汚れはブラシを使います。

ディスクプレート

 ベースプレートと同様に洗い流します。

ネジ(ビス)

 ネジは小さいので紛失しないようにトレイの中で洗います。

ビスを水洗いしている画像

②乾かす

 各パーツを風通しのよい日陰で乾かします。

洗ったビンディングを乾かしている画像

③保管する 

 洗ったビンディングの各パーツが完全に乾いたら、購入時の箱に入れて保管します。

 本体のアンクルストラップは、折りたたんだハイバックとヒールカップの間に入れ込んでおくことでコンパクトになります。(左の画像)

 こうしないとアンクルストラップが邪魔をして箱のフタが閉まらないことがあります。(右の画像)

 ネジは、購入時の箱に入っていたプレート(ネジ差し)に差しておきます。 

ビンディングのビスを収納した画像

 箱に収納したら、僕はいつも丸めた新聞紙をすき間に入れておくようにしています。

 中でパーツが動かずクッション代わりになるし、余分な湿気を吸い取ってくれるというメリットがあります。

 あとは次のシーズンまで物置やクローゼットで保管します。

 ちなみに僕はビンディングを3個持っていますが、ベッドの下に箱のまま置いています。

 なお、板と同様に変形や破損の原因となりますので、日の当たる場所や高温になる場所は避けるようにしてください。

6.おわりに

 今回は、シーズンオフのスノーボードの片付けと保管方法について紹介しました。

 実際にかかった作業時間は約1時間30分でした(ビンディングが乾くまでの時間を除く)。

 この記事がスノーボードの片付けや保管方法に困っている人のお役に立てれば幸いです。

 以下の記事では、シーズンオフのスノーボードウェアの洗い方と保管方法のコツについて紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

 最後までお読みいただきありがとうございました。 

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