「ブーツのソールが剥がれそう…」
「もう買い替えた方がいいかな?」
「自分で修理はできる?」
スノーボードブーツのソールやつま先の剥がれは自分で直すことができます。
もしまだソールが剥がれておらず、少し隙間がある程度であればもっと簡単に修理できます。
この記事では、スノーボード歴20年以上、現役インストラクターの筆者が次のことを紹介します。
- スノーボードブーツの本体とソールにできた隙間を埋める方法
- スノーボードブーツのソールが剥がれてしまったときの修理方法
1.スノーボードブーツの直し方を紹介
今回、2足のブーツを修理しました。
修理にかかった費用や時間(2足あわせて)は次のとおりでした。
- 修理にかかった費用:約1,000円
- 実際の作業時間:約1時間30分
- 修理にかかった日数:約2日(補修材が乾くまでの日数)
○1足目
- メーカー:BURTON EMERALD
- 足サイズ:24.5cm
- 使用期間:2年
- 滑走日数:約50日
- 症状:本体とソール(ゴム部分)の間に隙間が多くある。ブーツ内に水が浸入してくる。
○2足目
- メーカー:BURTON RULER
- 足サイズ:25.0cm
- 使用期間:4年
- 滑走日数:約100日
- 症状:ソールが全体の約50%ほど剥がれているため、間に入った雪が解けてブーツの中がびしょ濡れになる。パカパカ音がして歩きにくい。
2足とも中古オークションで購入した古いブーツです。
購入時はきれいな状態でしたが、製造年も古くゴム等のパーツもかなり劣化しているようです。
今回、新しいブーツを買うか悩みましたが、ソールの剥がれ以外は特に不具合はなかったので、自分で修理することにしました。
あえて言えばブーツアウターの表面が剥げて白くなっているのが気になります。
これは滑るときにブーツとビンディングの摩擦によってできたものです。
2.修理に使ったのは”SHOE GOO”(シューグー)
今回のブーツの修理に使った道具は2つです。
①SHOE GOO(シューグー)
1つ目は”SHOE GOO”(シューグー)です。
シューグーは誰でも簡単に靴を補修できることで有名で、発売から40年以上も愛され続けている人気商品です。
シューグーを塗ると約24時間で硬化し、乾くと合成ゴムに変化するのでソールの修理に最適です。
シューグーを塗るためのヘラも商品と一緒に入っているためこれを使用しました。
付属のヘラがない場合は、割りばしやアイスの棒で代用してもOKですね。
なお、右端の茶色い棒はヤスリです。
補修面を事前に傷付けておくと接着しやすくなるようですが、今回は使用しませんでした。
②養生用テープ
2つ目は養生用テープです。
シューグーを塗った後、ソールが接着するまでこれで固定します。
養生用テープは、必要な分だけ手で簡単に切ることができます。
ハサミは必要ありません。
また貼った後きれいに剥がせるので大変便利です。
3.ブーツを修理する前の準備
①ブーツを洗って乾かす
ブーツを修理する前は、必ずブーツを洗って乾かしておきます。
汚れたり濡れたままだとソールをうまく接着できないためです。
②ブーツのインナーを取り出す
ブーツのインナーは取り出した状態で作業します。
作業がしやすくなり、シューグーが中に浸みてインナーを汚すこともありません。
4.ソールの隙間を埋める(1足目)
まずは1足目です。
①シューグーを絞り出す
補修面にシューグーを直接絞り出します。
シューグーの色が濁っていて気になるかもしれませんが、乾くと透明になります。
②ヘラで平らにのばす
隙間に押し込む
まずは付属のヘラで、ブーツの隙間にシューグーを押し込みます。
奥までしっかり塗れるようにできるだけヘラを差し込みました。
表面に平らにのばす
次は接着部分にフタをするようにシューグーを平らにのばしていきます。
ヘラを水に浸してから使うとのばしやすくなります。
表面が少し固まったら、指などで成形することもできます。
③テープで固定する
養生用テープで固定します。
このときテープを引っ張りながら巻くと固定しやすくなります。
テープでぐるぐる巻きにしました。
初めてで加減が分からなかったので、少し巻きすぎたかもしれません。
後は24時間置いて乾かすだけです。
④乾いたらテープを剥がす
しっかり乾かす
シューグーが完全に固まるまでしっかり乾かします。
乾かす時間が長いほど硬化し、より接着力が強くなります。
テープを剥がす
24時間経過したらテープを剥がします。
シューグーの色も透明になりだいぶ目立たなくなりました。
⑤完成!
指で押さえても引っ張っても隙間ができることはなかったのでこれでソールの修理は終了です。
ついでにブーツアウターの表面が剥げて白くなっている部分も補修しました。
使用するのは油性マーカー1本です。
ポンポンと上から叩くように少しずつインクを付着させました。
以上で作業は終了です。
修理前(左の画像)と修理後(右の画像)のブーツを比較してみました。
遠くから見ればソールを修理したことはあまり分かりませんし、まだまだ使えそうです。
5.剥がれたソールの接着(2足目)
次は2足目です。
このブーツは、左足のソールがカカトからつま先にかけて約半分ほど剥がれています。
また、右足のソールはつま先部分が剥がれて隙間ができています。
1足目のブーツと比べると損傷が激しく修理が難しそうですがチャレンジしてみました。
①シューグーを多めに絞り出す
基本的な手順は1足目と同じです。
右足のソールの剥がれが大きいため、シューグーを多めに絞り出します。
②ヘラで平らにのばす
付属のヘラでシューグーを平らにのばしていきます。
ここでの注意点はソールの反っているフチの部分にもしっかりシューグーを塗ることです。
右足のつま先の剥がれについても同じです。
フチの部分までしっかりシューグーを塗りました。
③テープで固定する
養生用テープで固定します。
後は24時間置いて乾かすだけです。
④乾いたらテープを剥がす
24時間経過したのでテープを剥がしてみました。
左足のソールは上出来
左足のソールは、カカト部分も含めてしっかり接着できていました。
右足のソールはつま先に隙間が…
右足のソールは、つま先部分がうまく接着できず隙間ができていました。
右足のつま先だけ塗り直し
右足のつま先部分だけもう1度塗り直します。
今度はシューグーを塗った後、2~3分ほど手で押さえました。
手を離しても剥がれないことを確認し、さらに24時間待ちます。
⑤完成!
今度はつま先部分もしっかり接着できていました。
画像では分かりにくいかもしれませんが、シューグーを2度塗ったため完全に隙間は無くなりました。
これで2足目のソールの修理も終了です。
ついでにブーツアウターの表面が剥げて白くなっている部分も油性マーカーで補修しました。
以上で全ての作業が終了しました。
少しはきれいになりましたが、さすがにこのブーツをメインで使うのは頼りないですね。
古いブーツなので、今後は雨の日の予備用として車に積んでおくことにします。
6.おわりに
①修理したブーツを使ってみた ※2023/12/24追記
修理したブーツを実際に2日間使用してみました。
(剥がれのひどかった2足目のブーツです。)
筆者はカービングメインのため、特にトゥサイドターンのときにつま先側に強い力が加わるのですが、貼り付けたソールは全く剥がれも浮きもしませんでした。
また、シューグーですき間をしっかり埋めたのでブーツ内への水の浸入もありません。
結果は大成功でした。
これからも予備のブーツとして活躍してくれそうです。
(処分しなくて本当に良かったです。)
②シューグーは優秀
ブーツを自分で修理するのは初めてで不安でしたが、思ったよりうまく接着できました。
何よりシューグーがとても使いやすくスムーズに作業ができました。
結局、2足修理しましたがシューグーは半分以上残ったままです。
かなり安く修理できたと思います。
③早めの修理が大切
今回、2足修理して思ったことは、痛みがひどくなる前の早い段階で修理することが大切だということです。
ソールがある日突然バリっと剥がれることはありません。
最初に小さな隙間ができ、そこに小石や雪が入って少しずつ隙間が広がり、やがてソールが剥がれていきます。
まだ傷口が浅いうちに修理すれば、自分の足になじんだブーツを長く使うことができますね。
シーズンの前後には必ずブーツを確認してしっかりメンテナンスを行いましょう。
この記事が、お気に入りのスノーボードブーツを長く大切に使いたいと思っている方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
以下の記事では、スノーボードブーツの型落ち中古品をメルカリやヤフオクで購入するメリットについて紹介しています。
また、以下の記事では実際にメルカリで中古ブーツを買った体験談と、購入時の3つのチェックポイントについて解説していますので、ぜひ併せて読んでみてください。
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