
レインウェアを長く使いたい
シームテープが剥がれてきた
自分でも修理できるの?
ゴアテックス製レインウェアのシームテープは、洗濯や擦れで少しずつ劣化します。
この記事では、スノーボード歴20年以上の現役インストラクターが、モンベル「レインダンサー」のシームテープを自分で貼り替えた方法を紹介します。

1. レインウェアの直し方を紹介
今回補修したレインウェアはこちらです。


補修前

長年ハードに使用したため、シームテープがあちこちで剥がれていました。
特に擦れの多い首周りとフードは劣化が目立ちます。
生地そのものには、破れなど大きなダメージはありません。
処分するか迷いましたが、節約も兼ねて、今回は自力補修に挑戦しました。
補修後

補修後はかなりきれいになりました。
かかった費用は約1,000円。作業時間は約4時間(洗濯と乾燥を含めると約2日)です。
思ったより簡単に貼り替えできて、仕上がりにも満足しています。

ボロボロのカッパが生き返った!

手先が不器用な僕でも、思ったより簡単に補修できたよ。
2. 補修に使ったのは「アイロン圧着式シームテープ」
シームテープ

Amazonベストセラー1位の人気商品です。
3サイズ・4色展開で種類が豊富です。
私は10mのグレーを選びました。
他メーカーのシームテープも検討しましたが、この商品は評価が安定して高かったため迷わず購入しました。
アイロン


シームテープの圧着に使います。
また、古いシームテープを温めて剥がしやすくする際にも使用します。
家庭用アイロンでも、スキー・スノーボード用のワクシングアイロンでもOKです。
ただし細かい作業になるため、先端のとがった家庭用アイロンのほうが扱いやすいです。
その他使った物


ほとんど家にあるもので補修できそう!

買うのは約1,000円のシームテープくらいだね。
3. 補修前の準備
貼り替え箇所の確認
まずは床にレインウェアを広げ、貼り替えが必要な箇所を確認します。
すべてのシームテープを貼り替える必要はありません。
古いテープに痛みがなく、生地に接着剤が残っている場合は、アイロンで温めて再圧着するだけの簡易補修で十分なこともあります。
今回はまだ剥がれていない箇所もあったため、痛みの大きい箇所だけ最小限の範囲で貼り替える方針にしました。
テープを貼り替える箇所


首周りはほとんど剥がれており、胸部分は完全に剥がれていたため、新しいシームテープに貼り替えます。
テープを再圧着する箇所


フード部分や前立て裏側は、テープの痛みが少なく接着剤がしっかり残っていました。
この部分は古いテープを再圧着するだけにします。
作業手順をイメージ


商品付属の説明書に、作業の流れや注意点が書かれています。
作業前にひととおり目を通し、頭の中で手順をイメージしておくと失敗しにくいです。
また、テープが重なる箇所は、どちらを先に圧着するかを事前に決めておくとスムーズです。
今回は初めての作業だったため、説明書の順番どおりに進めていきます。
- STEP1ウェアを洗って乾かす
- STEP2古いテープを剥がす
- STEP3接着面の汚れを取り除く
- STEP4テープをカットする
- STEP5アイロンで圧着する

初めてなら、短く真っ直ぐな箇所で試すと圧着のコツがつかみやすいです。
4. シームテープの貼り替え
STEP1. ウェアを洗って乾かす
接着面にほこり・よごれ・水分があるとテープが付きにくくなります。
まずはウェアを洗って、しっかり乾かします。


洗濯するときは、すべてのチャックを閉め、フードは広げておきます。
「ソフト」や「おしゃれ着」コースで洗います。
乾かすときは生地を傷めないよう脱水はせず、乾燥機がなければ自然乾燥でOKです。
私は濡れたままハンガーに掛け、浴室乾燥機で乾かしました。
ハンガーループをハンガーに通すと、ずり落ちずに干せます。
STEP2. 古いテープを剥がす
貼り替える箇所のシームテープを剥がします。

中途半端にくっ付いているなど剥がれにくい箇所は、アイロンで温めると剥がしやすくなります。


生地を傷めないよう、まず低温で試し、必要に応じて少しずつ温度を上げてください。
STEP3. 接着面の汚れを取り除く
剥がした跡には古い接着剤が残ります。
丁寧に取り除きましょう。


アイロンで温めながら、古い布切れで吸着すると除去しやすいです。
接着剤が多い場合は、少し温めて指でこすり取ります。やけどに注意。
また、温めた直後にガムテープを当てて取り除く方法もおすすめです。


キッチンペーパーは溶けた接着剤で破れ、生地に汚れがつくことがあるのでおすすめしません。


掃除後は圧着面がきれいになり、次の作業がスムーズになります。
STEP4. テープをカットする
貼り替える箇所の長さに合わせてシームテープをカットします。

長い部分は、できるだけ1本で貼る方が剥がれにくくなります。
ただし、初めての場合は最初から長い場所に挑戦せず、短くて真っ直ぐな箇所で練習すると安心です。

テープの長さに関係なく、四隅は剥がれやすいので、必ず角を丸く切り取っておきます。
角を丸く切るコツ


- 最初から丸く切ろうとせず、まず1直線に切ります。
- 新たにできた2つの角をそれぞれ1直線に切ります。
- これを4隅すべてに行うと、角が緩くなり剥がれません。
小さな切れ端はガムテープでまとめておくと、作業後の片付けが簡単です。


STEP5. アイロンで圧着する
補修のメインとなる工程です。
シームテープは以下の手順で圧着します。


- 仮止め
当て布を使わず、アイロンの先端で軽くテープを固定します。位置がズレにくくなり、後の本圧着がスムーズです。 - 本圧着
当て布を乗せ、アイロンの広い面でしっかりプレスします。当て布が余分な接着剤を吸収するため仕上がりがきれいです。
最初から当て布を使ってもよいですが、仮止め → 本圧着 の流れの方が位置確認がしやすく、生地にもシワが入りにくいです。
アイロンのポイント



次から実際の補修例を紹介します。
・胸部分
胸部分は短く直線のため、最初の練習に最適でした。
ここでアイロンを押す強さや当てる時間の感覚をつかめました。


・首周り
テープの上下関係や重なり順を考慮し、両サイドの縦方向 → 襟の横方向の順で進めました。

・両サイド
縦方向は短いものの、上部が襟ポケットに入り込むため裏返して作業しました。


凸凹がある入り組んだ場所は、布を巻いた手を“簡易アイロン台”にして裏から支えると圧着しやすいです。

・襟
端から少しずつ、指で生地を広げながらシワにならないよう圧着します。


襟のように長い箇所は、短く切ったテープを重ね貼りする方法もあります。
しかし、可能なら1本で貼る方が剥がれにくいです。


もちろん、圧着前にテープの角を丸くカットします。


外側から見てもシワなく綺麗に仕上がりました。
5. 古いシームテープの再圧着(追加補修)
貼り替えではなく、既存のシームテープをもう一度しっかり密着させる作業です。
接着剤が残っている場所や、わずかに浮いている程度の箇所は貼り替えず、アイロンで押さえるだけの簡易補修で十分な場合があります。


まずは再圧着で直るかを試すのがおすすめです。
もし後で剥がれても、その時に貼り替えればOKです。
・フード
立体構造でシワになりやすいため、少しずつ生地を伸ばしながら慎重に圧着しました。


・前ファスナー(前立て)
前立ては剥がれが大きい箇所ですが、生地側に接着剤が残っていたため再圧着で対応しました。


・裾
裾はテープがわずかに浮いている程度だったため、アイロンで軽く押さえるだけの簡易補修にしました。



やっとできた!早速着てみよう。

ちょっと待った。圧着直後はまだテープが熱くて剥がれやすいから、しっかり冷まそう。
6. 完成|補修したレインウェアを使ってみた
補修前後のウェア比較
補修前と後のレインウェアを比べてみました。


シームテープの色が少し違うため貼り替えたことは分かりますが、内側なので着ている分にはほとんど目立ちません。
水の侵入も防げるので、まだまだ現役で使えそうです。
使用感は問題なし!

雨の日のウォーキングや屋内作業で数回着用しました。
今のところ使用感は良好で、テープの剥がれや浮きもなく、結果は大成功でした。
古いテープを再圧着した箇所は、接着剤が少なくて今後の使用で剥がれてくるかもしれませんが、その場合は早めに貼り替える予定です。

自分で直したから、ますます愛着がわいた!

お気に入りのカッパを長く使えるうえ、自分で補修して節約もできたね。
7. まとめ|DIY補修のポイント
ゴアテックス製レインウェアのシームテープ補修は、思ったより簡単でした。
今回の作業を通して分かったポイントをまとめます。
Amazon1位のシームテープは使いやすい
いろいろな製品を調べましたが、中には以下のようなトラブルが報告されているものもありました。
一方で、今回使用したTMOXのアイロン圧着式シームテープは、ほどよい接着力で扱いやすく、初めての補修でもスムーズに作業できました。
作業時間と使用テープ量
今回の作業では、新しいテープへの貼り替えと、古いテープの再圧着を行いました。
購入した10mのシームテープはほとんど余りました。


シームテープの必要量はサイズや製品によって前後しますが、全貼り替えの目安は以下のとおりです。
また、失敗を防いで作業時間を短くするコツは以下のとおりです。
業者に依頼する場合
「自分でやるのは不安」「お金をかけてもプロに頼みたい」という方は、モンベルの修理サービスの利用がおすすめです。
2025年11月に私が電話で確認した内容をご紹介します。
モンベル・カスタマー・サービス
TEL:06-6531-3544(修理お問い合わせ)
お気に入りのレインウェアを自分で修理することで、愛着も増し、長く使えます。
セルフ補修は意外と簡単で、費用も1,000円程度で済むので、ぜひ挑戦してみてください。
以下の記事では、スノーボードの雨対策について紹介していますので、ぜひご覧ください。



コメント