
ボードが滑らない、走らない
ノーズが埋まってバランスを崩す
ゲレンデが荒れていてすぐコケる
この記事では、スノーボード歴20年以上の現役インストラクターが、春スノーボードが滑りにくい理由と、シャバ雪を簡単に滑る3つのコツを紹介します。
春の雪はハイシーズンとは滑り方が異なります。
この記事を読めば、気温が高い春でもバランスを崩してコケることが少なくなり、楽しく滑れるようになります。
1. 春スノーボードはなぜ滑りにくい?
春スノーボードが難しいと言われる理由は主に2つです。
①ボードが滑らない・走らない

春の雪は、黄砂・PM2.5・花粉などの汚れが雪面に落ちてボードの滑りを妨げます。
また雪が薄くなり、土や木の枝が出ている場所を滑ると汚れが付着し、さらに滑りにくくなります。
②バランスを崩して転びやすい

春は気温が高く雪がゆるんで柔らかくなります。
シャバシャバ・ザクザク・ベチョベチョと表現される雪は、ボードが抵抗を受けて刺さったり埋まったりしやすく、バランスを崩してコケやすくなるのです。
2. シャバ雪でも簡単に滑る3つのコツ
春の雪を滑るときは、道具やワックスはもちろんですが、技術も重要です。
ここでは、実際の滑り方のポイントを3つ紹介します。
①ボードを立てすぎず、面で滑る

1つ目は、ボードを立てすぎず、面で滑ることです。
ボードを立てすぎると、次のような状態になり滑りにくくなります。
春の雪でもエッジは使いますが、立てる量は普段より少なめにし、優しく丁寧に立てる意識が大切です。
②積極的にボードを落とし減速しない

2つ目は、積極的にボードを下に向け、スピードを落とさないことです。
春の雪は「滑らない・走らない」ため、斜面を滑り落ちる自然の力(落下力)を普段より意識的に使います。
ターン中は横向きの時間(減速につながる時間)を短くし、速やかに次のターンに移ることがポイントです。
落とす量や時間は、雪質や斜度によって調整しましょう。
ザクザク雪では短め、ストップスノーのように滑らない雪では長めに落とす意識です。
1日の中でも雪質はどんどん変化していくので、いろいろ試してみることが大切です。
③関節を柔らかく使ってバランス確保

3つ目は、関節を柔らかく使ってバランスを確保することです。
股関節・膝・足首など下半身の関節を柔らかく使うと、雪面の凹凸を吸収しやすくなります。
バランスを崩してコケることが減り、滑りが安定します。
硬く使うと力が入りすぎ、ノーズが雪に埋まりやすくなるため注意してください。
年齢・性別問わず取り入れやすいテクニックです。
3. コツを理解すれば上達も早い
次の図は、春の雪でボードの落下力をあまり使わず、ボードを立て過ぎたときのターンのイメージです。

ターン弧は深くなりますが、横に進む力(推進力)が弱くなり、次のターンに向けたエッジの切り替えが難しくなります。
一方、次の図はボードの落下力を多く利用し、立てる量を少なくした場合です。

ターン弧は浅くなりますが、減速要因が減り、「滑らない・走らない」春の雪に適した滑り方です。
春の雪では、このイメージでターンすることを意識してください。
ポイントは「横切る」ではなく「斜め切る」という感覚です。
また、次の2つは密接につながっています。
- ボードを立て過ぎないこと
- 積極的にボードを落とすこと
理由は簡単です。
ボードを立て過ぎていないと、角度が弱い分、エッジ切り替えがスムーズで、次のターンに向けてボードを落としやすくなるからです。
逆にボードを立て過ぎると、フラットに戻してから逆側のエッジに乗り換える必要があり、重心移動の距離が長く時間もかかります。
ボードを立てる量が少なければ、フラットに戻す距離も短く、エッジの切り替えもスムーズです。
その結果、安定して滑りやすく、スピードに乗ったきれいなターンを描けるようになります。
4.まとめ: 春スノボを快適に楽しもう

この記事では、春の雪を簡単に滑る3つのコツについて紹介しました。
春のシャバ雪、ザクザク雪は決して難しくありません。
コケても痛くないですし、普段滑ることができないような急斜面にも楽しくチャレンジできます。
また、ハイシーズンに比べて人が少ないのも春スノーボードの大きなメリットです。
ぜひこの記事の内容を春スノーボードに取り入れてみてください。
以下の記事でも春スノーボードに関連する内容を紹介していますのでぜひ併せて読んでみてください。
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