記事内に広告が含まれています。

【最新】JSBAスノーボード教程2025改訂版の変更点まとめ|試験対策にも役立つ内容解説

アイキャッチ
この記事は約12分で読めます。

スノボの教科書が新しくなった!
変更点だけをサクッと知りたい!
検定や試験にどんな影響がある?

この記事では、スノーボード歴20年以上のインストラクターが、約17年ぶりに改訂された「JSBAスノーボード教程」の変更点をわかりやすく解説します。

今回の改訂は、バッジテストやインストラクター検定(学科・実技)にも影響があります。

改訂版を読む前にこの記事をチェックすれば、スムーズに理解でき、試験対策にも役立ちます

「忙しくて本をじっくり読む時間がない」という方も、この記事でポイントを押さえるだけで概要を把握できます

改訂版のポイントを手早く知りたい方や、試験前に効率よく準備したい方の参考になれば幸いです。

※この記事は、JSBAスノーボード教程(2025年8月改訂版)を参考に執筆しています。詳しい解説や正確な定義は、必ず本書でご確認ください。
※記事中では、改訂前を「旧版」、改訂後を「新版」と表記し、該当ページも記載しています。

created by Rinker
山と渓谷社
¥3,190 (2025/08/23 15:11:56時点 Amazon調べ-詳細)

1. 改訂の概要と検定への影響

新版は2025年8月に発刊されました。

①改訂のポイント

  • 技術体系の整理
    運動と荷重・抜重の説明を分けるなど、ターンや滑走の理解が容易に
  • 用語・知識の整理
    用語を追加・変更し、ケガの現状などの最新データを反映
  • 項目の削除・簡略化
    一部技術や競技結果などの資料を削除してシンプルに(最新情報はJSBA公式サイトで確認可能)

②検定・講習で注意すべき点

  • バッジテスト・インストラクター実技検定
    運動と荷重・抜重の違いを理解していないと、動きと滑りがかみ合わず、ターンを思い通りにコントロールできません
  • インストラクター学科検定(筆記試験)
    新しい用語や変更された名称を覚えていないと、問題文の選択肢で迷って間違える可能性があります。
  • 年次講習会・インストラクター認定講習
    新しい用語を知らないと、講習中の説明が理解できず、内容についていけない恐れがあります。

2. 主な変更点(技術編)

スノーボード教程(旧版)
旧版
スノーボード教程(新版)
新版

①ターンのメカニズム

ターンの仕組みに関する3つの要素が、一部変更されました。

旧版(P10~)

  • 角づけ
  • 荷重
  • ローテーション

新版(P14~)

  • 角づけ
  • 荷重
  • 回旋(ローテーション)

「ローテーション」が「回旋(ローテーション)」へと表記変更されました。

カナに漢字が加わっただけで、技術的な内容に大きな違いはありません。

②ターンコントロールの基本技術

ターンをコントロールするための5つの基本技術が、全面的に改訂されました。

旧版(P18~)

  • ターンの形成
  • スタンス&ポジション
  • リーン・リーンアウト
  • ストローク
  • 回旋操作

新版(P22~)

  • 基本姿勢
  • 前後運動
  • 左右運動
  • 上下運動
  • 回旋運動

新版では、従来の説明がスノーボード上でできる運動に置き換えられ、よりシンプルで分かりやすくなりました。

さらに、旧版の後半(P159)にあった「絶対運動を可能にする5つの基本技術」と統一され、技術体系が一本化されました。

また、新しい用語として 「バランスゾーン」 が登場しています。

バランスゾーン:両足間で重心を移動できる範囲

③導入技術(スケーティング)

スケーティング習得のための3ステップに、用語の変更がありました。

旧版(P46~)

  • ノーズアップ
  • ウォーキング
  • スケーティング

新版(P52~)

  • ステッピング
  • ウォーキング
  • スケーティング

「ノーズアップ」が「ステッピング」に置き換わっただけで、動作そのものは変わっていません。

ステッピング:その場でボードのノーズを上下させる足踏みの動作

④基礎技術(谷回り・連続ターンなど)

基礎技術では、いくつかの名称が変更されましたが、動作内容に大きな違いはありません。

谷回り

谷回りを構成する技術の一つが変更されました。

旧版(P80~)

  • 谷回し
  • ノーズドロップ

新版(P88~)

  • ピボット
  • ノーズドロップ

「谷回し」が「ピボット」に置き換えられています。

ピボット:強い内力を利用して瞬時にボードの向きを変える技術

連続ターン

連続ターンの名称も一部変更されています。

旧版(P88~)

  • イージーターン
  • ノービスターン

新版(P98~)

  • ボットターン
  • ノービスターン

「イージーターン」が「ピボットターン」に変更されました。

これは「谷回し」→「ピボット」への用語整理に伴うものです。

ピボットターン:ピボットを連続させた初歩的な連続ターン

ガーランド

練習方法の名称からカッコ書きが削除されました。

旧版(P86~)

  • ガーランド(ギルランデ)

新版(P94~)

  • ガーランド

「ガーランド(ギルランデ)」が「ガーランド」というシンプルな表記になりました。

ガーランド:谷回りと山回りを同じサイドで繰り返す練習方法

⑤発展技術(運動と荷重・抜重)

発展技術では、カービング系ターンの「荷重・抜重」という表現が「運動」に置き換えられました

新版では「運動」と「荷重・抜重」を分けて考える方針になっています。

ベーシックカーブ(ベーシック運動)

旧版(P106~)

  • 沈み込み荷重
  • 立ち上がり抜重

新版(P114~)

  • 沈み込み運動
  • 立ち上がり運動

上下運動(ストローク)は荷重・抜重を直接表すのではなく、荷重・抜重をコントロールするための手段と整理されました。

沈み込み運動:ターン中に身体(脚)を曲げ、低い姿勢になる動き

立ち上がり運動:切り替え期に身体を伸ばし、高い姿勢になる動き

ダイナミックカーブ(ダイナミック運動)

旧版(P106~)

  • 伸ばし荷重
  • 抱え込み抜重

新版(P114~)

  • 伸ばし運動
  • 抱え込み運動

こちらもベーシックカーブと同様に、脚の曲げ伸ばしは荷重・抜重そのものではなく、それをコントロールする運動として位置づけられています。

伸ばし運動:ターン中に脚を伸ばす動き

抱え込み運動:切り替え期に脚を曲げて抱え込む動き

⑥応用技術(滑走スタイルの分類)

応用技術の「滑走スタイル」は、名称や内容が変更されました。

旧版(P124~)

  • スピードスタイル
  • グラウンドスタイル
  • エアスタイル
  • コブスタイル
  • パウダースタイル

新版(P126~)

  • アルパインスタイル
  • フリースタイル
  • フィールドスタイル
  • パフォーマンススタイル

新版では「スラッシュ」や「ドルフィンターン」が追加され、最新のライディングスタイルが反映されました。

一方、「コンポカーブ」の写真付き解説(旧版:P126~)は削除されましたが、ベーシックカーブショートの説明や巻末の用語集には残されています。

3. 主な変更点(知識編)

スノーボード教程の裏表紙(新版・旧版)
イメージカラーは旧版が青、新版が緑です。

①外力の種類(6個→7個)

滑走中にライダーに働く外力(外部から作用する力)が、6個から7個に増えました

旧版(P8~)

  • 重力
  • 遠心力
  • 雪面抗力(反力)
  • 摩擦抵抗
  • 空気抵抗
  • 地形変化 など

新版(P8~)

  • 重力
  • 垂直抗力・向心力
  • 遠心力
  • 摩擦抵抗
  • 除雪抵抗
  • 空気抵抗
  • 地形変化 など

旧版にあった「雪面抗力(反力)」は、上記のリストから消えています。

新版では「垂直抗力・向心力」と「除雪抵抗」がリストに追加されました。

ただし、「雪面抗力=摩擦抵抗や除雪抵抗、垂直抗力などを含む総称」であり、新版でも頻出します。

なお、除雪抵抗の解説(新版:P13)では、「モーメント」という新しい用語が使われています。

モーメント:物体を回転(ボードを自転)させる力の大きさ

②用語解説(101個→146個)

新版では、用語解説(いわゆる用語集)の収録数が旧版より45個増え、合計146個になりました。

旧版(P174~)

  • 101個

新版(P160~)

  • 146個

インストラクター学科検定(筆記試験)では、この用語解説から毎回出題されます。

特に「向心力」「除雪抵抗」「雪面抗力」などの外力の違いは、新版でしっかり確認しておきましょう。

③救急法(止血方法の変更)

出血時の止血方法が一部変更されました。

旧版(P176~)

  • 直接圧迫止血
  • 間接圧迫止血

新版(P164~)

  • 直接圧迫止血法
  • 止血帯止血法

「関節圧迫止血」が「止血帯止血法」に変更されています。

止血帯止血法:出血が激しく直接圧迫で止まらない場合に、上肢や下肢に止血帯などを巻いて止血する方法

④ケガの現状(受傷部位の順位更新)

自分で転倒した際の受傷部位の上位5つが、最新データ(2024-2025)に更新されました。

旧版(P180~)

  • 手首
  • 足首

新版(P168~)

  • 肩・鎖骨
  • 手首
  • 頭部
  • 足首

また、内容はほぼ同じですが、その中で多いケガについても更新されています。

旧版(P180~)

  • 手首の骨折
  • 肩の脱臼
  • 頭の打撲
  • 手首・足首の捻挫

新版(P168~)

  • 肩の脱臼
  • 手首の骨折
  • 頭部の打撲
  • 足首の捻挫

新版では、新たに「ヘルメット着用率」の項目が追加されました。

スノーボードにおけるヘルメットの着用率は、欧米では約8割に達する一方、日本では約4割と低めです。

⑤雪崩の知識(雪質分類の追加)

雪崩の分類が変更され、新たに雪質別(乾雪・湿雪)が追加されました。

新版では、3つの要素により雪崩を8種類に分類します(2×2×2=8)。

旧版(P184~)

  • 表層雪崩
    • 点発生表層雪崩
    • 面発生表層雪崩
  • 全層雪崩
  • 氷雪崩

新版(P172~)

  • 発生の形態別
    • 点発生雪崩
    • 面発生雪崩
  • 雪質別
    • 乾雪雪崩
    • 湿雪雪崩
  • 滑り面別
    • 表層雪崩
    • 全層雪崩

⑥メンテナンスの手順(12個→4個)

新版では、ボードのメンテナンス手順が大幅に簡略化されました。

旧版(P186~)

  • 作業台の準備
  • フラットチェック
  • コンベックスとコンケーブ
  • クリーニング
  • エッジのサビ落とし
  • エッジリペア
  • ソールリペア
  • エッジのダリング
  • エッジのビベリング
  • ワクシング
  • 簡単なワクシング
  • ストラクチャーの原理

新版(P174~)

  • 作業台の準備
  • クリーニング
  • ワクシング
  • 簡単なワクシング

ソールの形状やリペア、エッジ調整に関する内容は削除され、残るのはクリーニングワクシングのみです。

これに伴い、チューンナップ用品からもフラッターやストーン、ファイルなど、ソールやエッジ調整用の道具は削除されました。

4. 改訂版から削除された7項目

JSBAオフィシャルハンドブック
オフィシャルハンドブックは別ファイルで最新内容を確認可能

新版では、以下の内容が削除されました。

削除された内容の多くは、JSBAの公式サイトで最新版を確認できます

定期的に更新が必要な情報や、掲載の必要性が低いものは削除されたと考えられます。

5. 改訂の要点まとめ

スノーボード教程(新版・旧版)

今回の記事で紹介した主な変更点は以下のとおりです。

  1. ターンのメカニズム
    • ローテーション→回旋(ローテーション)
  2. 基本技術
    • 基本姿勢、前後運動、左右運動、上下運動、回旋運動
  3. 導入技術(スケーティング)
    • ノーズアップ→ステッピング
  4. 基礎技術(谷回り・連続ターン、ガーランド)
    • 谷回し→ピボット
    • イージーターン→ピボットターン
    • ガーランド(ギルランデ)→ガーランド
  5. 発展技術(ストロークと荷重・抜重)
    • 荷重→沈み込み運動、伸ばし運動
    • 抜重→立ち上がり運動、抱え込み運動
  6. 応用技術(滑走スタイル)
    • 5分類→4分類
  7. 外力の種類
    • 6個→7個
  8. 用語解説
    • 101個→146個
  9. 救急法(止血方法)
    • 間接圧迫止血→止血帯止血法
  10. ケガの現状
    • 受傷部位などのデータ更新
  11. 雪崩の分類
    • 雪質(乾雪・湿雪)の追加
  12. メンテナンス手順
    • 12個→4個
  13. 削除項目
    • プレスカーブ、スキルチェック&スキルアップ、競技解説、スクール一覧など

その他、インストラクター学科検定でよく出題される項目についても、新しいページの追加や文章表現の修正が行われています。

  • 力学的観点からの解説(新版: P12~)
  • ゲレンデでの行動規則(新版: P36)
  • インストラクターに求められる能力(新版: P150~) など

旧版に慣れている方は、用語の置き換えを意識して試験対策を行ってください。

この記事が「改訂の概要をざっくり知りたい」「試験前にポイントだけ押さえたい」という方の参考になれば幸いです。

※この記事は、JSBAスノーボード教程(2025年8月改訂版)を参考に執筆しています。詳細な解説や正確な定義は、必ず本書をご確認ください。

created by Rinker
山と渓谷社
¥3,190 (2025/08/23 15:11:56時点 Amazon調べ-詳細)

以下の記事では、インストラクターの資格を取得するまでの手順について解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました